- 個展情報
ベルゲン国際文学祭2023
2月12日、私たちはベルゲン国際文学祭 2023(LitFestBergen 2023)に参加しました。日本文化(この言葉でひとくくりにしてしまうのは少し乱暴ですが)と私たちの作品について話をしました。
かつて私たちは、作品に対して話す必要はないと思っていました。 なぜなら、作品がすべてを物語っていると思っていましたし、私たちの解説によって解釈の幅を狭めてしまいかねないと思っていたからです。
私たちのお話は抽象的なものが多く、解釈の扉が開かれている点が気に入っていました。
しかし、このイベントに登壇し、作品を作ってきた背景や思いを伝える機会を得て、反対の事を感じました。 私たちが作品や背景について語る事は、読者がお話に入り込むための良いガイドになる。今ではそう思っています。
私たちに共感してくれる人も多くいました。私たちが思いを語ることで、それぞれの読者が絵本をより楽しめることを知りました。
でもやはり、私たちが語る事がその作品のすべてだと思わないでください。 受け取る感覚は、それぞれの読者によって違います。それどころか、それは日や時間によっても変わります。 もし、あなたが私たちのお話を読んでくれたなら、あなたが抱いた感想は決して間違いではありません。
私たちですら、10年前と今では言葉とその感じ方は変わってきています。作者である私たちもあなたたちと同じ読者の一人です。
変化し続ける自分に目を向け、その定まらない言葉を私たちは楽しんでいます。 皆さんにもその揺らぎ、儚い気持ち、そして言葉たちを楽しんでもらいたいと思っています。
ゆく川の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。 よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。
--- 『方丈記』 鴨長明 —-
ベルゲン国際文学祭 (LitFestBergen)
2019年に初めて開催され、国際文学とノルウェー文学を紹介している。
LitFestBergenの特徴は、文学的、言語的、文化的、地理的多様性にあること。そして、大胆かつ革新的であると同時に、幅広い観客が参加できることを目指している。
フェスティバルの参加者は、ノルウェーだけでなく世界中の作家と出会い、皆が関心を寄せる重要な問題を直接的に扱った文学作品に触れることができる。
https://www.litfestbergen.no/en/
住所 :Østre Skostredet 5-7, 5017 Bergen, NORWAY