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お馬のポピーは迷子の子馬
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ポピーは陽気なお馬さん
走るの大好きどこまでも
どこまで行ったかわからない
ポピーは迷子の子馬さん
それでもポピーはまた走る -
はてさてどれだけ走ったか
ポピーはさっぱりわからない -
どんどん遠くに来ているが
ポピーはちっとも気にしない -
素敵な景色が広がるが
ポピーは決して止まらない -
不意に気がつき立ち止まる
家族はいったいはどこだろう -
それでもポピーはまた走る
走って走って、どこまでも
いろんな景色を通り抜け
走っているのがとても好き -
その時、ドカンとぶつかった
そこにいたのはお母さん
「いったいどこにいってたの」
ポピーはしばらく考えた
「しらないどこかのそこらへん」 -
ポピーは今日も走ってる
今は家族の真ん中で
おしまい
About this story
これは走るのが大好きな子馬のポピーがひたすら走り続けるお話です。
私にとって、この物語は非常に興味深いものです。なぜなら、自分で作り、物語を完成させた感覚があるにもかかわらず、物語のテーマが何なのか私自身も正確にはまだわからないからです。
そして当然のことながら、一つの作品が内包するテーマが一つとも限りません。
このような不確かさは、私の物語作りの過程でよくあることです。
奇妙に思われるかもしれませんが、だからこそ私は自分の物語を何度も読み返します。1か月後、1年後、10年後に読み返すことで、その物語のテーマが見えてくることがあります。
時間がたつと、私自身も私を取り巻く環境も変化します。すると、以前には理解できなかったことが理解できるようになったり、すでに理解したと思っていたことに再び疑問を持つようになります。
私が私だと信じているものは、私の一部でしかなく、それさえも変化し続けます。ある意味では永遠に不完全ともいえるかもしれません。
このお話もいずれ説明できる時がくるかもしれません。他のお話に対して解釈が変わるかもしれません。でも、私はそうした変化に気づく瞬間が大好きなのです。
だから、私は自分が書いた物語を説明できない不完全な状況を楽しんでいます。
私は作者であると同時に自分のお話の読者なのです。
Chie