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モリーのありがとう
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モリーはしくしく泣いていた
どうしてモリーは泣いてるの
それは誰にもわからない -
お日様 すこし傾いた
そろそろ3時のおやつ時
小さな木の下 カーサの木
お茶会メンバー集まった
白いネズミはシッポポッシ
モグはアナグマ 食いしん坊
木からぶらぶら ミノムシ カーサ
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席が一つ空いている
いつも そこに座るのは
静かな トゲトゲ ハリモグラ -
いつまでたっても来ないから
ちょいとおうちにいってみよう -
暗い家の隅っこに
毛布がシクシク泣いている
「ねぇねぇ、モリーどうしたの」
カーサが小さく問いかける
「泣いてるだけじゃ、わからない」
シッポポッシはゆっくりと
毛布を引っ張りはがしとる
「とげとげないね。どこいった」
モグはポツりとつぶやた
話によればこうらしい
トゲが抜け落ち 驚いた
びっくりしすぎて泣いちゃった -
モリーのためにできること
みんなで集まり考える
その時カーサが思いつく
「こんな感じはどうだろう」
おーいと友だち呼んできて、木の葉で作るあったかミノ -
あらら、風で飛んでった
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シッポポッシがひらめいた
「こんな感じはどうだろう」
以前作ったトゲトゲリュック
モリーの棘とお揃いだ -
あらら、これは小さすぎ
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モグがポンと手をたたき
「こんな感じはどうだろう」
木の棒しばってつけてみる
トゲのようにできるかも -
あらら、強くしばりすぎ
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そのころ近くの原っぱで
いつも仲良しコアリクイ
走り回って遊んでた
トイとブッカとそれからフック -
ぐいぐい走って 着いた先
ぐるぐる巻きのへんなもの
それを見ている誰かさん
「いったい なにを しているの?」
「みんなで困っているんだよ」 -
なるほどそれなら家にいる
ママに相談してみよう
「さあさあ、あとについてきて」
助けてくれるママのもと 急げ急げと走り出す -
「あらまあ、みんなどうしたの」
ことのしだいをつらつらり
「そういうことなら、おかませあれ」 -
ママの作業が終わるまで
少しの時間 暇つぶし
モリーはママのお手伝い
ブッカとカーサは仲良く読書
シッポポッシは工作中 トイと二人で製作中
おやつの時間のフックとモグ -
「さあさあ、できた。着てごらん」
完成したのは小枝がついた
まるでトゲトゲ素敵なコート
モリーにぴったり 似合ってる -
言葉はうまく出ないけど
嬉しい気持ちを伝えたい
モリーはみんなにハグをする
気持ちを込めて ぎゅぎゅぎゅ
おおきな おおきな ありがとう -
数日後にはトゲトゲが少しづつだがはえてきた
それでもモリーはいつだって
トゲトゲコートを着て歩く
音にならないありがとう
やっぱりきちんと伝えたい
手紙に書いて届けよう
おしまい