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ぼくの名前はゾンガリエ。
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ぼくの名前はゾンガリエ。
外に出かけてみたいけど、いつも家から出られない。
今日はお出かけできるかな。 -
ゾンガリエの朝は、友だちのマリーにあいさつをすることから始まります。
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ゾンガリエの朝食は、毎日、フレンチトースト。
おいしく焼けたら
はしから切って
上から食べて
きれいに食べたら、ごちそうさま。 -
ゾンガリエの身支度は、いつも同じ。
歯をみがいたら
水でゆすいで
顔を洗えば
もう少し。 -
仕上げは、お気に入りの蝶ネクタイを付けるだけ。
昔から使っているから、今のゾンガリエには少し小さいみたい。 -
ドアの前までやってきたゾンガリエは、マリーをいつもの場所に戻したか不安になってきました。
それからゾンガリエは、家の中でやり残したことがないか、何度も確認しました。
外に出る前からへとへとのゾンガリエ。 -
ドアノブを握り、誰かにあった時のあいさつや話す内容、お別れ仕方など、細かいところまで想像します。
そう、ご近所さん、みんな分。
ゾンガリエの目はぐるぐると回り、ついには倒れてしまいました。 -
ゾンガリエが目を覚ました時には、もう夕方。
今日もまたゾンガリエの1日が過ぎてしまいました。 -
新しい朝
今日もゾンガリエの1日は、友だちのマリーにあいさつをすることから始まります。
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いつものように、朝食のフレンチトーストを食べようとした、その時。
チリンと小さな音が聞こえてきました。
それは、今まで一度もなったことのない家の呼び鈴の音。
ゾンガリエは、びっくりして床にドシンと倒れこんでしまいました。 -
ドアが小さな音を立て少し開きます。
家の中に入っていたのは、一匹のアナグマ。
ゾンガリエには目もくれず、イスによじ登り、フレンチトーストを見つけると、口いっぱいにほおばります。 -
「おいしい、おいしい。」
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「ごちそうさま。あら、どなた?」
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アナグマが言うには、お昼ご飯の材料を探している途中、
ゾンガリエの家の中からおいしそうな匂いがしてきたので、つい、あがりこんで、つい、たいらげてしまったらしいのです。 -
アナグマは、フレンチトーストを食べてしまったお詫びと、おいしかったお礼に、ゾンガリエをお昼ご飯に誘いました。
ゾンガリエは、アナグマの急なお誘いにおどおどしながらも、急いで鉢植えを取りに行きました。
「マリーも一緒にいい?友だちなんだ。」
「もちろん。さあ、早く行こう。」 -
ゾンガリエは、マリーを両手にしっかりと抱え、アナグマの後についていきます。
「ところで、名前は?ぼくはモグ。」
「ゾ、ゾンガリエ。ぼくの名前は ゾンガリエ。」
ゾンガリエがお出かけをしたことに気がつくのは、もう少しあとのこと。
おしまい