-
おはよう。イモムシくん
-
お日様 ぽっぽっ とごあいさつ
草木も さっさっ とおはようさん
クリの木通りの三丁目
まっすぐ伸びた ホオノキに
恥ずかしがり屋のイモムシが
ひっそり こっそり暮らしてた -
ある朝 誰かがやってきて
「おはよう。そちらにいらっしゃる
小さい緑のイモムシ君。」
昨日 ここにやってきた
シャクトリムシのお隣さん
「やーやー、今日もよい天気。
きみの緑もよいあんばい。」
聞こえているのに しらんぷり
イモムシ君は下を向く -
お日様 今日はどこへやら
空のどこにも見当たらぬ
「おはよう。そちらにいらっしゃる
隠れんぼうずのイモムシ君。」
長いからだを持ち上げて
シャクトリムシは話しだす
「いやはや、今日のお天気は
雲が多くて こまりもの。
ところがどっこい、お日様が
君のからだにいっぱいだ。」
からだのはんてん 思い出し
イモムシ君は横を向く -
朝から 暗い空模様
気分も どんより雨模様
「おはよう。そちらにいらっしゃる
暗いお顔のイモムシ君。」
シャクトリムシは 下を向き
雨に打たれて 立っている
「なんとも、ざーざー降ってるね。
私は雨が嫌いでね。
君の背中の青色は
きっとお空の青だろう。」
見えない 背中を考えて
イモムシ君は上を向く -
朝は毎日やってくる
今日は青空 よい天気
「おはよう。そちらにいらっしゃる
恥ずかしがり屋のイモムシ君。」
葉っぱの裏からひょっこりと
出てきたお顔はまっかっか
br>「おはよう。素敵な皆さま方
私は、緑のイモムシです。」
「おはよう。」
「おはよう。いもむし君」
おしまい